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3限目「岩本秀雄」株力アップ!株ドリルで利益ザクザク!最終回 自社株買いの季節到来! 株価の変化に注意

自社株買いが活発化する季節を迎えました。株価に直接的に働く効果だけでなく、市場を経由した株主還元策として、その発表をマーケットも歓迎することが多いものです。

東証の調査によると、1年のうちで自社株買い(自己株式の取得)が最も活発な月は11月です。

3月本決算会社の場合、中間決算が終わって年間業績もある程度見通せるようになり、実施しやすい時期です。

2010年には、東証上場全銘柄のうち1割以上に相当する193社がこの11月に自社株買いを行なっていました。

自社株買いというのは、過去に発行した自己株式を会社の余剰資金を使って買い戻すことをいいます。

自己株式を買い付け、それを消却すれば、その分だけ発行済み株式数が減少します。「当期純利益÷発行済み株式数」で計算する1株当たり利益が増加するため、株価が同じならPER(株価収益率)が低下し、実施前に比べて割安になります。

株主資本も減るため、「当期純利益÷自己資本」で計算されるROE(自己資本利益率)も向上するといった効果が期待できるわけです。そこで「市場を経由した株主還元策」などといわれています。

株主還元策といえば配当金が代表的ですが、配当金支払いが課税されるのに対し、自社株買いには税金がかからないので、無駄な税金の支払いが発生しません。また、最近のような株価が割安に放置されている時期には、自社株買いが活発化する傾向が強くなります。

たとえば、1株当たり純資産が1000円で株価が500円、つまりPBR(株価純資産倍率)0.5倍の銘柄が自社株買いを実施すると、500円を使って純資産で1000円の価値がある株式を購入することになるわけですから、優れた資金の使い方ということができるでしょう。もちろん、経営者が「今の株価は安すぎる」というメッセージをマーケットに向けて発信することにもつながります。

発行済み株式数を減らすには自社株を買って保有するだけではダメで、消却という手順を踏まなければなりません。実際、買い付けと併せて消却まで実施する企業も少なくありませんが、市場では買い付けだけでも好感されることが多いようです。

それは、市場での株式買い付けによる株価上昇―という直接的な効果が期待できるからでしょう。上のチャートは、自社株買いに積極的なキヤノンが過去に行なった自社株買いのタイミングと株価の変化を示したものです。昨年以降は発表が株価上昇につながっていることがわかります。

ただ、08年10月のように、2000万株もの大規模な買いにもかかわらず、株価上昇は瞬間的で、下降トレンドに逆らえなかったこともあります。自社株買いだけでは大きな流れを変えることはできない、というのも現実です。

ドリルの答えは①。配当金総額と自社株買いの総額を合わせて「総還元額」といいます。


いわもとひでお
ストックボイス副社長CCO(チーフ・コンテンツ・オフィサー)

1951年、東京生まれ。日本証券新聞取締役編集局長、立教大学非常勤講師などを経て現職。30年間、市場ウオッチャーとして相場の激動を見続ける。『初心者でも儲けられる株のドリルブック』(中経出版)など著書多数。
※毎日配信のメルマガ「ストボ!マガジン」登録受け付け中。詳しくはストックボイスのホームページで。

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この記事は「WEBネットマネー2011年11月号」に掲載されたものです。


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