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「マンガでわかる。」風雲マネー塾(今月の御目玉)[其ノ三 投信 実戦編]米国の不動産は、商業系は絶好調!

リーマン・ショック後に驚異的なリカバリーを見せ、純資産残高では現在同カテゴリー2位まで上り詰めたファンドの秘密を大公開。

運用は9年目に突入ボラティリティーが高いので短期より長期投資向き

「フィデリティ・USリート・ファンド」は、米国REITを投資対象としたファンドです。米国のREITは現在142銘柄あり、そのうちの55銘柄に集中投資しています。純資産総額は為替ヘッジありのAコース、為替ヘッジなしのBコース合わせて4545億円(10月17日現在)。Aコースは基準価額の動きは比較的安定しており、分配金は60円。Bコースは為替ヘッジがない分価格変動が大きく、分配金は100円です。円安に転じれば為替差益が得られる可能性があるBコースの人気が高く、純資産総額の大半を占めています。

設定は2003年12月9日。米国REITのみを投資対象とした国内投信の中では最も長い実績を持つファンドの1つですが、運用委託先であるフィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチが運用する米国のミューチュアル・ファンド「FidelityReal Eatate Investment Portfolio」はさらに古く、1986年11月17日に設定されています。これは現存する北米REITファンドの中では第2位の歴史の長さを誇り、そこから得た組織なリサーチ及び運用能力が「フィデリティ・USリート・ファンド」にも生きています。まさに、フィデリティは米国リートの本流なのです。

運用が9年目に入るこのファンドの純資産総額が急激に増えたのは2009年後半以降です。08年のリーマン・ショックではすべてのアセットクラスが値下がりしたのですが、09年から10年にかけてのリカバリーは株式などよりも米国REITが早かったため、当ファンドのパフォーマンスが向上し、支持を得ることができました。

とはいえ、米国の不動産は不調なのではないか、という疑問もあると思います。確かに個人向け住宅は新規の着工件数が伸びず中古住宅販売も低迷していますが、REITが運用する商業不動産の様相はまったく異なり、稼働率(入居率)で見ると平均93%以上と好調を維持しています。具体的にはオフィス92%(11年第2四半期末の数字、以下同)、集合住宅95.8%、ショッピングセンター92.6%。REITは稼働率の高い物件に絞って投資するので、この好調さを背景にした高い収益が期待できるのです。

一方で、欧州の深刻な財政危機は米国経済にも悪影響を与えており、金融機関株が値下がりし、REITも金融株の一端ということで売られています。しかし先ほどの稼働率が表すように、REITが保有している不動産の価値が下がっているわけではないので、REIT価格が下がってきている今は、指標的には割安な可能性とも考えられます。

ただこのファンドはボラティリティーが高いため、短期間で売買して利益を得るというよりは、時間を味方につけるつもりである程度の期間保有していただくスタンスのほうが適していますね。


太田 創(TSUKURU OTA)
フィデリティ投信 マーケティング部長

98 年の銀行窓販開始以前から、大手都銀、外資系銀行、証券会社などで投資信託ビジネスに携わる。07 年に入社、マーケットや資産運用関連の寄稿・著作多数。


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この記事は「WEBネットマネー2012年1月号」に掲載されたものです。


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