ネットマネー2017年8月号96ページに記載の高千穂交易の売買単位に誤りがありました。
正しくは「100株」です。お詫びして訂正いたします。


コンニチマネー

拝啓Mr.マネー第15回 澁澤 健(コモンズ投信株式会社会長)

「経済って難しそう」「投資って怖そう」…でも、今の日本で暮らしていくには、真剣にお金と向き合わなきゃ!お金に逃げられない、お金に振り回されない、お金が寄ってくる――そのために必要な「マネー基礎力」をつくるヒントがいっぱい!

幕末から大正初期にかけて幕臣・官僚・実業家として活躍し、銀行や証券取引所などの設立、経営に関わった偉人・澁澤栄一。その玄孫である澁澤健さんは、「お金とは水のようなもの」と説く!

水のように循環することで “生き金” となる!

およそ500社の会社設立などに携わり、「日本の資本主義の父」といわれる澁澤栄一の5代目の子孫である私のことを、とかく世間は “お金持ち” だと誤解しがちです。しかしながら、栄一は子孫に多大な資産を残さず、彼の跡を継いだ世代にも財を増やそうという野心はありませんでした。したがって、私が生まれ育ったのは、平凡なサラリーマン家庭にすぎません。

もっとも、2001年に独立して事業を起こそうと思い立った際、私は栄一のすばらしい遺産の存在に気づくことができました。それは彼が口にした “言葉” で、『渋沢栄一伝記史料』(本編58巻、別巻10巻)には、数々の名言が残されていたのです。

お金は運用に失敗すると減ってしまいますし、増やすと税金負担も重くなります。その点、言葉には税金がかかりませんし、名言にはそれに共感する人々を集める力を秘めています。そして何より、言葉は減ったりなくなったりせず、長く人間社会の共有財産となっていきます。

孔子が残した『論語』もその典型でしょう。私は30〜40代の中小企業オーナーを中心にいくつかのグルーブを結成し、「『論語と算盤』経営塾」という名の会合を定期開催しています。毎回さまざまなディスカッションを行なっていますが、先日は「お金とは何か?」というテーマでした。

最も多かったのは「道具」という回答で、「いいも悪いも使い方次第」というのがその心です。また、「無関心」と答える人もいれば、「片時も頭から離れない」と呟く人もいました。各々の意見に耳を傾けながら自分なりに思いついたのが、「お金は水のようなもの」という答えです。

水がなければ喉が乾くし、生死にも関わってきますが、その点はお金も同じでしょう。一方で、あふれ返るほどあっても泳ぎ方(使い方)を誤れば、溺れてしまいかねません。そして、絶えず世の中を循環すれば、経済の血流となって “清い水” が保たれます。ところが、同じ場所にとどまっていると水が濁るように、”死に金” となります。

日本人は世界で一番たくさんの現金を保有していますが、それをきちんと循環させているでしょうか? その大半が預貯金のままで、貸し手が見当たらない金融機関もその資金で国債を買うだけです。正直、正常な循環とは言いがたいでしょう。お金とは、澁澤栄一いわく、「よく集めてよく散ずる」べきもの。次の価値を創生することに投じて、初めて “生き金” となります。株式投資もしかりです。


澁澤 健(しぶさわ・けん)
コモンズ投信株式会社会長

1961年生まれ。69年に父親の転勤で渡米し、青春時代を過ごす。84年に日本国際交流センターに入社後、87年にMBAを取得。以後、外資系証券会社で国債やデリバティブなどの金融商品を担当。2001年にシブサワ・アンド・カンパニーを創業し、代表取締役に就任。コモンズ投信は07年に設立された独立系投信会社で、銘柄を厳選して絞り込んでいる点が特徴。著書に『日本再起動』(東洋経済新報社)など多数。


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この記事は「WEBネットマネー2012年2月号」に掲載されたものです。


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