ネットマネー2017年8月号96ページに記載の高千穂交易の売買単位に誤りがありました。
正しくは「100株」です。お詫びして訂正いたします。


コンニチマネー

拝啓Mr.マネー第18回 福永博之(インベストラスト代表)

「経済って難しそう」「投資って怖そう」…でも、今の日本で暮らしていくには、真剣にお金と向き合わなきゃ!お金に逃げられない、お金に振り回されない、お金が寄ってくる――そのために必要な「マネー基礎力」をつくるヒントがいっぱい!

テクニカル分析の第一人者として、マネー誌への寄稿や講演などで活躍中の福永さん。緻密なチャート分析で今後の推移を的確に占う福永さんがリスクヘッジの重要性を痛感したエピソードとは?

社内持ち株会はリスクヘッジの観点から問題リ⁉

多くの上場企業は社内持ち株会という制度を設けており、入社時に加入を勧められがちです。果たして、勤務先の株式をせっせと買い集めることは、自分の資産形成にとってプラスとなるのか? 私の経験則からすると、残念ながらその答えは「ノー!」です。

私が大学を卒業して証券会社に入ったのはバブル真っ盛りのころで、日経平均が史上最高値をつける前年の88年のこと。当時の証券会社は絶好調だったので、私は月々の積み立て購入とは別に、公募増資時にも喜び勇んで自社株をまとめ買いしました。

勤務先の業績がさらに向上し、自分の給料もアップして、さらに自社株まで高騰すれば、まるで3倍のレバレッジを利かせたような成果を期待できると考えたからです。ところが、90年を迎えたとたんに日経平均は急落し、まさかのバブル崩壊。そのうえ、さっさと換金したいのに、社内持ち株会の場合はなかなかそれがかなわないという現実を思い知らされました。

すべてを一度に売却できないなどといった制約があったり、社内でヒンシュクを買いそうで売りづらかったり、非常に自由が利かないのです。バブル崩壊で勤務先の業績も急激に悪化し、給料も下がったうえに自社株でも含み損が発生といった具合で、完全に逆方向へとレバレッジがかかってしまった格好です。

結局、売るに売れない状況に陥り、私は今でもその株式を保有しています。時価評価は当時の数十分の1と化しましたが、自分への戒めとして手放さないつもりです。ただ、これは自社株買いだけに限った話ではありません。「事情を知っている」という理由で、自社のライバル企業の株式を買う個人投資家も少なくでしょう。その場合も、私と同様の結果を招きかねません。業界全体が不振に陥る事態に備えて、本来はそのリスクをヘッジできる投資先を選んでおくべきです。

つまり、自分の勤務先がスランプを迎えるような局面でも、着実に儲けていそうな異業種の企業に投資しておくのです。実は、文学部出身の私が証券界に進んだのは、渡仏のチャンスがあったからでした。その念願がかなって現地の機関投資家専用の市場を垣間見た際、私は非常に驚嘆しました。値動きが激しい市場でありながら、市場参加者は積極的な売買を繰り広げていたのです。彼らは読みが外れても大損を被らないように、相応のリスクヘッジを行なっていました。万全の対策を打っているからこそ、大きなリスクをとれるということです。


福永博之(ふくなが・ひろゆき)
インベストラスト代表

IFTA国際検定テクニカルアナリスト。勧角証券(現・みずほインベスターズ証券)を経て、DLJdirect SFG証券(現・楽天証券)へ。楽天証券経済研究所でチーフストラテジストを務めた後、2007年11月より投資教育会社、インベストトラスト代表取締役に。信用取引やテクニカルチャートの分野を得意とし、わかりやすい解説に定評がある。近著に『FX一目均衡表ベーシックマスターブック』(ダイヤモンド社)。ホームーページはこちらへ。


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この記事は「WEBネットマネー2012年5月号」に掲載されたものです。


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