ネットマネー2017年8月号96ページに記載の高千穂交易の売買単位に誤りがありました。
正しくは「100株」です。お詫びして訂正いたします。


特集

亀井幸一郎が金の魅力と今後の市場動向を解説GOLDの風(2017年2月号)

トランプ大統領の誕生は、過激な言動や保護貿易の提唱などから波乱要因として捉えられ、金価格の押し上げ要因とみなされていた。ところが当選後に起こった動きは、金の値下がりだった。この動きは続くのだろうか。

トランプ当選後のかく乱相場で買い残整理が一気に進展した金市場

米国大統領選挙の結果は、金市場をも揺さぶることになった。トランプ氏の当選は、事前には国際経済の不透明要因の高まりを意味するとされ、金への注目を高める材料だった。発生の可能性は低いものの、起こると大きな波乱をもたらす材料という点で、一種の「テール・リスク」とみなされたイベントだ。実際に即日開票が進む中で、トランプ氏の優勢が伝えられると、ニューヨークCOMEX(商品取引所)の時間外取引では一時、前日比で 64 ドルほど高い1338ドルまで買われる局面も。そしてそのまま1300ドル超での滞留を続けた。

ところが、流れの変化は金融市場からもたらされる。トランプ勝利が決定的となり勝利宣言スピーチが始まったタイミングで、まず為替市場でドル高が鮮明となる。その後、9日のNY市場の早朝から米国債( 10 年債)に売りが膨らみ、長期金利の上昇が目立ち始める。結果的には、この金利の動きが金価格の下げをもたらした。わずか 10 営業日で60 ベーシスポイント(0・6%)近い上昇となったからだ。これは世界を揺るがした2015年のバーナンキ・ショック時よりもピッチの速い上昇だった。米国と他国の金利差は一気に拡大し、ドル相場も急騰。ファンドの運用プログラムに組まれているDXY(ドル指数)は同じ期間に駆け上がり、2003年4月以来の水準を記録するに至る。金売りプログラムがヒットしたのは言うまでもないだろう。

長期金利急騰の要因は、今回上下両院とも共和党が勝利したことで、トランプ候補の公約となっていた大型減税とインフラ投資という財政刺激策の具体化がイメージされ、景気拡大への期待が一気にひろがったことにある。景気拡大による〝いい金利上昇〞というわけだ。一方、財政赤字の拡大懸念も同時に映した点では、〝悪い金利上昇〞という側面も併せ持つ。これが、12月のFOMC(連邦公開市場委員会)での利上げを織り込み済みの金市場に、2017年の利上げ加速をイメージさせたことも下げを促した。

投票日当日の1274・5ドルから 11 月 29 日には1187・9ドルまで下げた金だが、注目点はファンドのポジションが売り買い双方で減ったこと。ドル金利の急騰を見て、いったんは市場からの退出を決めたファンドが多いことを表す。安値拾いの買いが、高額紙幣の廃止で混乱をきたしたインドで見送られているのも響いた。一方、先物の買い越し量はピーク時の半分以下( 11 月 29 日現在)と整理が一気に進んでおり、この先の下値は浅いとみられる。



マーケット・ストラテジィ・ インスティチュート代表

亀井幸一郎 KOICHIRO KAMEI

中央大学法学部卒業。山一證券に勤務後、日本初のFP会社であるMMI、金の国際広報・調査機関であるWGCを経て独立し、2002年より現職。市場分析、執筆・講演など幅広く活躍中。



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