ネットマネー2017年8月号96ページに記載の高千穂交易の売買単位に誤りがありました。
正しくは「100株」です。お詫びして訂正いたします。


特集

知りたがり女子の3分でわかるナットク経済学(2017年5月号)

財務諸表に詳しい投資家は、今回の東芝危機を予期していたかもしれません。というのも、東芝が計上していた「のれん」の額に大きな問題があったからです。上場企業の、のれんが増加傾向にある今、投資家としてはこの問題を理解しておく必要があります。

今月の知りたがりテーマ 東芝問題の教訓とは?

東芝に不適切会計と大規模減損という2大危機が起こりました。それにしても、最初の不適切会計発覚時に、次の危機を想定できなかったのでしょうか?

実は、不適切会計で問題になった際に、「さらなる危機に陥るのでは」との噂があったのです。理由は、財務諸表の資産と資金調達構成を示す貸借対照表上の「のれん」および「株主資本」のバランスがきわめて悪かったからです。

のれんとは、企業を買収した際の金銭的価値に上乗せして評価するプレミアム分を指します。しかし、先行きを期待して割高な企業買収を行なったとしても、投資回収見込みが不可能とみなされたら減損が適用されます。貸借対照表上から、のれんという資産を減らし、さらには損益計算書に赤字として反映されます。

つまり、まったく価値がないと判断されたら、のれんは100%近く減損されることもあるのです。企業によっては、それがきっかけで債務超過に転じる場合もあります。

このような企業リスクに備えるにはどうすればいいのか。答えは返済義務のない株主資本をのれん以上に乗せることです。つまり、「のれん < 株主資本」という財務状態を維持できているかが重要なのです。

東芝の2016年3月期、つまり、最初の危機が訪れた直後の貸借対照表はどうなっていたのでしょうか?

減損リスクのある「のれん及び無形資産」の項目は6398億円。一方、「株主資本」は3289億円となっており、突発的な減損リスクに耐えられる財務状況ではなかったのです。

このことから、当時の東芝への投資は、きわめてハイリスクだったことがわかります。

最近、マイナス金利の環境もあってかM&A(企業の合併・買収)が増えています。同時に、上場企業全体の「のれん」も増加傾向にあります。

そんな時代だからこそ、東芝問題を教訓に「のれん」に注視する必要があるのです。


Masumi Sai  崔 真淑 Good News and Companies代表

神戸大学経済学部卒業後、大和証券SMBC金融証券研究所(現・大和証券)に株式アナリストとして入社。入社1年未満で、当時最年少女性アナリストとしてNHKなど主要メディアで株式解説者に抜擢される。債券トレーダーを経験後、2012年に独立。現在は、日経CNBC経済解説部のコメンテーターとしても活躍している。



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