ネットマネー2017年8月号96ページに記載の高千穂交易の売買単位に誤りがありました。
正しくは「100株」です。お詫びして訂正いたします。


特集

亀井幸一郎が金の魅力と今後の市場動向を解説GOLD の風(2017年9月号)

物価上昇2%の目標の達成が見えない日銀。その資産はついにGDP(国内総生産)に迫る500兆円を突破した。「先の見えない日銀の出口戦略が、日本における不確実性の最たるもの」と筆者は指摘する。

日銀総資産500兆円突破。金利上昇で赤字転落も!? 懸念される不確実性と金

6月に行なわれた米国FOMC(連邦公開市場委員会)で昨年 12 月以来3回目となる利上げを実施したFRB(連邦準備制度理事会)。その際、約4兆5000億ドル(約500兆円)にまで膨れ上がった保有資産の縮小に着手することも発表した。金融政策の正常化、つまり出口戦略を本格化させようとしているのだ。FRBは、リーマン・ショック後の危機脱出のために市場から国債を中心に多額の債券を買い取り、資金を大量供給した。正常化に向けて膨れ上がった資産を逆に手放し、適正規模まで資金を回収するのだ。ところが、直接売却すると金利の急騰など市場に混乱をもたらすことになる。そこで償還金の再投資を段階的に減らすことにした。

今回、具体的に1年後の減額予定金額まで示し、早ければ年内に着手するとした。主要株式指数が軒並み過去最高値更新を続けるなど、カネ余りが指摘されている環境の中で、過熱を回避していかに軟着陸させるかにFRBは苦心中だ。ECB(欧州中央銀行)も、デフレ懸念を払拭したとして、この9月には量的緩和策の段階的な縮小に着手するとみられている。

その中でいまだ2%の物価上昇率目標に遠く、大規模な金融緩和策を維持しているのが日銀だ。5月末には総資産がGDPに迫る500兆円を突破。その総資産の85%にあたる427兆円が国債だ。4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は前年同月比0・3%の上昇にとどまり、目標達成ははるかかなた。総資産はさらに増えそうだ。

将来、金利が上昇すると、手持ちの国債が値下がりし日銀が巨額の含み損を抱えるのは避けられそうにない。悩ましいのは、仮に目標の2%達成が近づいて日銀が利上げを始めると、保有する国債からの収入は固定金利で増えないが、金融機関が預け入れている当座預金(準備預金)に対する利払いが増えること。日銀が複数年にわたって赤字に転落したり、債務超過に転じる可能性がある。すでに日銀内部でも〝出口〞に際しての赤字転落のシナリオも描いているとされるが、それでも信認は確保できるようだ。しかし、それは市場の受け取り方次第。現代の主要国の中央銀行で赤字が長く続いた例はなく、市場の反応は 不明で起きてみないとわからないのが実状だ。

過去5年余り、円建て金価格は世界で最も安定している。だが、果たして数年先はどう か。そうした不確実性への対応策として、円でも米ドルでもユーロでもない「GOLD(金)」の保有がある。


マーケット・ストラテジィ・ インスティチュート代表  亀井幸一郎
KOICHIRO KAMEI
中央大学法学部卒業。山一證券に勤務後、日本初のFP会社であるMMI、金の国際広報・調査機関であるWGCを経て独立し、2002年より現職。市場分析、執筆・講演など幅広く活躍中。



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