ネットマネー2017年8月号96ページに記載の高千穂交易の売買単位に誤りがありました。
正しくは「100株」です。お詫びして訂正いたします。


特集

巻頭企画 マーケット動向を先取りするための裏読み情報ゲット!MONEY 得ダネニュース(2017年9月号)

東芝メモリの売却交渉が難航している。一方で、値動きに目をつけた個人投資家が殺到中だ。

東芝が東証2部へ。上場廃止か会社更生法適用か今後の再生シナリオ

外資に買収されれば投資妙味も出てくるが、果たしてその可能性は?

ついに8月から東証2部へ降格することとなった東芝。原発事業が引き金となったその背景については、今さら長々と説明するまでもないだろう。肝心なのは、ここから先のシナリオだ。債務超過解消の切り札ともなりうる半導体子会社・東芝メモリの売却は、その道筋がなかなか定まらない。もしも今年度内に売却できなければ、2年連続の債務超過が決定的となって、上場廃止の憂き目に遭う。

一方、売却の話がまとまったとしても、有価証券報告書の遅延に不信感を募らせた東証が上場維持審査でノーを突きつける可能性も考えられる。降格だけにとどまらず、上場廃止のリスクが依然として高いのだ。だからこそ監理銘柄に指定されているわけだが、それでも致命傷を負うことはないと軽視したデイトレーダーたちが東芝株に群がり、出来高ランキングでも上位に入ってきている。

むろん、一般の個人投資家は手を出さないほうが無難だが、今後も東芝はまっとうな投資対象とはなりえないのか?想定されるシナリオ別に検証してみたい。まず、上場廃止となった場合について、フィスコの田代昌之さんは次のように見る。「いったん廃止となり、すっきりとした体制で再上場を目指したほうがいいとの意見はあります。しかし、財界総理(経団連会長)を送り出してきた名門企業が上場廃止を選択して再生を図るというシナリオは、さまざまな株式保有者が容認しないでしょう。シャープが1年弱で復活したのは、稼げる部門に経営資源を集中できたから。東芝メモリを売る東芝にそれが残っているかどうか」

再上場の道のりはかつての西武鉄道(現・西武ホールディングス)以上に厳しくなりそうで、「投資妙味はかなり低い」と田代さんは結論を下す。一方、会社更生法(民事再生法)適用も想定される「東芝メモリの売却話がまとまらないと、一気にその筋書きとなりそう。現実となれば、貸倒引当金を積んでいるとはいえ、メガバンクがダメージを負う可能性も」(田代さん)

外資が買収するというシナリオも考えられ、そのパターンなら最も投資妙味がある。「債務超過を解消するだけの資金を投入できる外資が存在するのかは微妙。また、主力事業を失った東芝にどこまで魅力を感じるものか?その可能性は低そう」(田代さん)

8月の内閣改造で小泉進次郎氏が入閣?関連株は保育と教育

小泉進次郎氏は、「こども保険」の提唱者。関連銘柄が動きだす!

安倍晋三首相が8月に内閣改造を断行する見通しだ。人心を一新して支持率を回復し、最大の政策課題と位置づける憲法改正を実現するためである。小泉進次郎自民党農林部会長や、橋下徹前大阪市長らが入閣候補と目されており、今後は関連銘柄の動きが活発になるだろう。

東京都議会選挙投票日の午後6時、上智大学や赤坂・迎賓館に程近いフランス料理店。安倍首相は、麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉(よしひで)官房長官、甘利明前経済再生担当相という側近中の側近3人と、2時間ほどかけて夕食を共にした。都議選の開票前とはいえ、報道各社の出口調査で自民党の歴史的な大敗はほぼ確定し、安倍氏らもそのことを把握していたはずだ。

関係者によると、夕食会は安倍氏が呼びかけた。永田町筋は「結束の再確認が狙いだった」と推測する。安倍氏の誘いを会食直前に断ったとすれば、新政治勢力の結成など離反が疑われる。

都議選後、安倍氏らは報道陣から自民党敗北についてコメントを求められると、あっ さりと「選挙結果を厳粛に受け止める」と負けを認めた。このことは、これまで〝身内〞で固めてきた安倍氏の組閣方針変更を意味する。

白羽の矢が立ちそうなのが小泉進次郎氏。新設する「人づくり改革担当相」か厚生労働相としての入閣が予想される。小泉氏は、自民党が子育て支援政策と位置づける「こども保険」の提唱者でもある。子育て世代の女性の人気も高く、少子高齢化対策に本気で取り組む内閣の姿勢をアピールするには、これ以上の人材はない。

安倍氏にとって、小泉氏の登用は〝身内優遇〞批判をかわす効果もある。子育て政策の財源をめぐって、安倍氏と近い下村博文・自民党幹事長代行らは教育国債による調達を考えていた。保険案を推す小泉氏を大臣の椅子に座らせることは、下村氏の国債案を捨てて党内融和を最優先させることでもある。

一方、小泉氏が入閣できたとしても、手放しで喜んでばかりはいられない。6月に日本記者クラブで講演した際、日本には若手の失敗を待望する風潮が強いと述べ、党内の〝逆風〞を示唆した。次の解散・総選挙までの支持率回復という全党レベルの重責を小泉氏は担うことになり、閣僚としての仕事には一段と力が入りそうだ。

こども保険の骨格は企業と従業員から保険料を集め、現行の児童手当に最大で月2万5000円を上乗せして支給する。消費税増税の見送りによる一般財源の不足が予想されるだけに、少子化対策の財源として堅実な選択肢といえるだろう。こども保険は介護保険以来の新制度となるだけに、子育て世帯の2大出費である保育と教育に関連する企業に注目したい。


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